魚を焼くときに塩を振る理由

魚を焼くときに塩を振る理由

焼き魚には塩を振りますが、これをただの味付けのためと思っていませんか?塩はもっと深い、調理の上で重要なものなのです。

焼く前に塩を振ることで、魚の表面と内面の浸透圧に大きな差が生じます。まず魚の表面にある水と塩が溶けあう事で、濃い食塩水に覆われた状態になります。こうなると魚の内側から水分が引き出されますが、その時に水分と一緒に臭みの成分も抜くことが出来るのです。

また、たんぱく質は熱によって固まりますが、塩の働きによってこの凝固をより早く進めることが出来ます。つまり、魚に塩を振っておくことで、焼いた時に表面のたんぱく質が固まるため身が崩れるのを防ぎ、また魚の中からうま味成分が溶けだすのを防いでくれるのです。

プロの料理人の腕にかかれば、魚の種類によって塩の振り方が変わると言うのですから、魚を焼くという一つの事を見ても、料理の世界は奥が深いものだと思わされます。