「くだらないもの」の語源と意味

「くだらないもの」の語源と意味

人にお土産を渡す時、謙遜して「くだらない物ですが・・・」と言って渡します。また、「くだらないことをいうな」とか「くだらない本だ」とか、「くだらない」という言葉は馬鹿馬鹿しいことやつまらないこと・ものを批判して言う言葉です。

この「くだらない」という言葉が生まれたのは江戸時代でした。江戸時代の初期は、人口は増え続けるものの産業が発達しておらず、食糧や生活品を京都や大阪から運んでいました。京都に行くことを「京に上る」といい、京都から江戸に行くことを「江戸に下る」と表現したため、京都から運ばれてくるものは「下り物」と呼ばれました。

産業が発達した京都や大阪からの「下り物」には当時の先端技術を用いた高級品が多く、次第に「下り物」は「本物」とか「高級品」という意味になりました。そして、関東近郊などの産業が発達していない地域で生産されるものは「下らぬ物」と表現され、それが次第に「粗悪品」という意味になったのでした。