「豚に真珠」の語源と由来

「豚に真珠」の語源と由来

ものの価値が分からない人に貴重なものを与えることを「豚に真珠」といいますが、この語源を知っていますか?「豚に真珠」という言葉は聖書に由来するものです。「目から鱗」という言葉の語源も聖書にありますし、聖書由来の慣用句で、日本人になじみ深くなっている言葉は、意外と多いものです。

豚に真珠が出てくるのは聖書のマタイ伝です。マタイ伝にこうあります。

「神聖なものを犬に与えはなりません。あなた方の真珠を豚の前に投げてもいけません。彼らがそれを足で踏みつけ、向き直ってあなた方をかき裂くことのないためです」

こうして、価値が分からない人に価値あるものを与える行為を戒めるものとして、「豚に真珠」という言葉が生まれたのです。

興味深いのは、マタイ伝の同じ個所に、犬が引用されていることです。しかし「犬に神聖」では分かりにくいですよね。この箇所は「猫に小判」として日本でなじみ深いものとなっています。